【米国の高配当ETF比較】VYM、HDV、SPYDの違いについて分かりやすく解説
- 米国の高配当ETFってどういうもの?
- VYM、HDV、SPYDってどれがいいの?
米国の高配当ETFとは、米国の高配当株で構成されているETFです。
中でも、「VYM」「HDV」「SPYD」は米国ETFランキングで上位に入るほど人気のETFです。
ただし、これらのETFの違いについて明確に理解できている個人投資家は少ないと思います。
そこで、今回は「米国の高配当ETFのVYM、HDV、SPYD」について分かりやすく解説していきます。
- 「VYM」「HDV」「SPYD」とは
- 「VYM」「HDV」「SPYD」の特徴
- 投資先を選ぶ際のポイント
この記事を最後まで読めば、初心者でも米国の高配当ETFについて理解し、投資を始めることが出来ます。
「VYM」「HDV」「SPYD」とは
米国の高配当ETFとは、米国の高配当株で構成されているETFのことです。
高配当ETFに投資を行うことで、S&P500インデックスファンド(配当利回り1.5%前後)よりも高い配当金を受け取ることが出来ます。
米国の高配当ETFの中で人気なのが「VYM」「HDV」「SPYD」です。
- VYM(Vanguard High Dividend Yield ETF)
- HDV(iShares Core High Dividend ETF)
- SPYD(SPDR Portfolio S&P 500 High Dividend ETF)
YYMはバンガード、HDVはブラックロック、SPYDはステートストリートと米国の大手資産運用会社が運営しています。
高配当投資は銘柄選びが難しいとされていますが、これらのETFを買うことで、誰でも米国の高配当株にまとめて分散投資することが可能です。
これらのETFの違いを見ていきましょう。
「VYM」「HDV」「SPYD」の特徴
こちらがVYM、HDV、SPYDを比較した図になります。
それぞれの特徴を見ていきましょう。
VYM
VYMはバンガードが運用する高配当ETFです。
ベンチマーク(基準となる指数)は「FTSE ハイディビデンド・イールド・インデックス」です。
この指数は、平均以上の配当を出す普通株で構成されています。
直近1年の配当利回りは3.02%、経費率は0.06%です。
構成銘柄数は451銘柄となっています。
VYMの上位組み入れ銘柄はこちらです。
時価総額が高い銘柄の比率が高くなる「時価総額加重平均」が採用されています。
そのため、配当利回りの高い大型株の組み入れが多いことが分かります。
VYMの上位組み入れセクターはこちらです。
VYMは年に1回銘柄の組み替えが行われます。
金融セクターが一番多いですが、比較的セクター分散されていることが分かります。
VYMの設定日以降のパフォーマンスがこちらです。
「リーマンショック」「コロナショック」を乗り越えて右肩上がりで上昇していることが分かります。
高配当を維持しながらも株価は設定日から約2倍に成長しています。
VYMの特徴
- 組み入れ銘柄数が多い
- 経費率が最も安い
HDV
HDVはブラックロックが運用する高配当ETFです。
ベンチマークは「モーニングスター配当指数フォーカス」です。
この指数は、財務の健全性が高く、継続的に配当を出すことが出来ると認められた株で構成されています。
直近1年の配当利回りは3.69%、経費率は0.08%です。
構成銘柄数は75銘柄となっています。
HDVの上位組み入れ銘柄はこちらです。
HDVは、財務の健全性を重視した銘柄で構成されています。
組み入れ比率は上位10銘柄で半分近くを占めていることが分かります。
HDVの上位組み入れセクターはこちらです。
HDVは、年に4回銘柄の組み替えが行われます。
エネルギー、生活必需品、ヘルスケアセクターが多くの比率を占めていることが分かります。
HDVの設定日以降のパフォーマンスがこちらです。
右肩上がりで上昇していることが分かります。
こちらも高配当を維持しつつ設定日から約2倍に成長しています。
HDVの特徴
- 財務の健全性を重視している
- 年間の銘柄の組み替え回数が最も多い
SPYD
SPYDはステートストリートが運用する高配当ETFです。
ベンチマークは「S&P500高配当指数」です。
この指数は、S&P500採用銘柄の中の高配当な銘柄で構成されています。
直近1年の配当利回りは4.72%、経費率は0.07%です。
構成銘柄数は80銘柄となっています。
SPYDの上位組み入れ銘柄はこちらです。
SPYDは、組み入れ銘柄の比率がほぼ均等になるように構成されています。
実際に上位組み入れ銘柄占める割合も小さいことが分かります。
SPYDの上位組み入れセクターはこちらです。
SPYDは年に2回銘柄の組み替えが行われます。
SPYDは、金融、不動産セクターが上位に組み込まれています。
SPYDの設定日以降のパフォーマンスがこちらです。
長期的には、右肩上がりで上昇していることが分かります。
SPYDは、配当利回りが高いこともあり、株価の成長性は低くなっています。
SPYDの特徴
- 直近1年の配当利回りが最も高い
- 組み入れ銘柄比率がほぼ均等になるように構成されている
トータルリターン
こちらがVYM、HDV、SPYDの過去8年間のトータルリターン比較になります。
過去7年間ではVYMのリターンが一番高く、次にHDV、SPYDという結果になりました。
これは過去7年間で米国株が大きく成長したため、成長性の高い銘柄も含めているVYMのリターンが高くなったことが要因と考えられます。
投資先を選ぶ際のポイント
個人投資家がそれぞれの投資先を選ぶ際のポイントがこちらです。
- 「低リスクで幅広い高配当株に投資をしたい人」 → VYM
- 「財務の健全性を重視して高配当株に投資したい人」 → HDV
- 「配当利回りの高さを重視して高配当株に投資したい人」 → SPYD
- 「どのファンドに投資するか決められない人」 → 複数に投資する
それぞれ順番に見ていきましょう。
「低リスクで幅広い高配当株に投資をしたい人」
VYMは400銘柄以上に分散投資しているため、最もリスクの低いファンドとなっています。
実際に、コロナショック時の下落率も3ファンドの中でも最も小さなものでした。
高配当株は不測の事態が起きた際に減配してしまうリスクがあります。
そのため、低リスクで幅広い高配当株に投資をしたい人はVYMへの投資が適切です。
「低リスクで幅広い高配当株に投資をしたい人」 → VYM
「財務の健全性を重視して高配当株に投資したい人」
HDVは企業の財務の健全性も見て銘柄を組み替えています。
高配当株の中には業績が低下しているにもかかわらず、無理をして配当を出している企業もあります。
そのような企業はいずれ、株価も低迷し減配に追い込まれる可能性があります。
そのため、財務の健全性を重視して高配当株に投資したい人はSPYDへの投資が適切です。
「財務の健全性を重視して高配当株に投資したい人」 → HDV
「配当利回りの高さを重視して高配当株に投資したい人」
SPYDは直近1年の配当利回りが最も高いファンドです。
また、過去平均を見てもVYMは約3.1%、HDVは約3.4%、SPYDは約4.1%で、SPYDの配当利回りが最も高くなっています。
当然ながら、高配当株投資はできるだけ多くの配当金を得ることが目的です。
そのため、配当利回りの高さを重視して高配当株に投資したい人はSPYDへの投資が適切です。
「配当利回りの高さを重視して高配当株に投資したい人」 → SPYD
「どのファンドに投資するか決められない人」
VYM、HDV、SPYDは必ずしもどれか1つを選ぶ必要はありません。
2つもしくは3つのETFに投資するという選択肢もあります。
管理の手間は少し増えますが、複数保有することで、さらにリスクを抑えそれぞれのETFの良さを取り入れることが出来ます。
そのため、どのファンドに投資するか決められない人は複数のETFへの投資を検討しましょう。
「どのファンドに投資するか決められない人」 → 複数に投資する
「VYM」「HDV」「SPYD」への投資にオススメの証券会社
「VYM」「HDV」「SPYD」への投資は、多くの証券会社で行うことが出来ます。
この中でも、オススメの証券会社をいくつか紹介します。
SBI証券
- 6,000銘柄以上の米国株を取り扱い
- 手数料が業界最安水準
- 米ドル/円のリアルタイム為替手数料が無料
楽天証券
- 楽天ポイントが貯まる・使える
- 手数料が業界最安水準
- 米ドル/円のリアルタイム為替手数料が無料
マネックス証券
- 取り扱い銘柄数が業界最多水準
- 手数料が業界最安水準
- 買付時の為替手数料が無料
まとめ
米国の高配当株ETFとは
→米国の高配当株で構成されているETF
「VYM」「HDV」「SPYD」の特徴
VYM
- 組み入れ銘柄数が多い
- 経費率が最も安い
HDV
- 財務の健全性を重視している
- 年間の銘柄の組み替え回数が最も多い
SPYD
- 直近1年の配当利回りが最も高い
- 組み入れ銘柄比率がほぼ均等になるように構成されている
投資先を選ぶ際のポイント
・「低リスクで幅広い高配当株に投資をしたい人」 → VYM
・「財務の健全性を重視して高配当株に投資したい人」 → HDV
・「配当利回りの高さを重視して高配当株に投資したい人」 → SPYD
・「どのファンドに投資するか決められない人」 → 複数に投資する
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