【書評】「バカでも稼げる 米国株高配当投資」 バフェット太郎
今回は、米国株ブロガーであるバフェット太郎さんの著書「バカでも稼げる 米国株高配当投資」を紹介します。
本書は
- 米国株投資を始めてみたい人
- 高配当投資に興味のある人
にオススメです。
著者プロフィール
- 名前 バフェット太郎
- 職業 米国株ブロガー、YouTuber
23歳の時に元手300万円で日本株投資を始める。
企業分析をするうちに日本株に失望し、2015年から米国株にシフト。
現在は米国の高配当株で約1億円の資産を運用し、毎月約20万円の配当収入を得ている。
本の概要
「バカでも稼げる 米国株高配当投資」は、タイトルの通り「米国株の高配当投資」について書かれた本です。
本書の要点がこちらです。
- 投資するなら米国株が最強な理由
- 高配当マネーマシンの作り方
それぞれ見ていきましょう。
投資するなら米国株が最強な3つの理由
本書では投資先は米国株が最強であると主張されています。
その主な理由がこちらです。
- 債券より株式の方がリターンがいい
- 日本株よりも米国株の方がリターンがいい
- 日本企業よりも米国企業の方がビジネスモデルがいい
それぞれ順番に見てきましょう。
①債券より株式の方がリターンがいい
歴史的に見ると株式は債券よりもリターンがいいと証明されています。
こちらは米国の過去200年間の実質リターンを表したグラフです。
仮に1801年に1ドル投資すると2001年には、株式が597,485ドル、長期国債が1,072ドル、短期国債が301ドルになります。
株式が圧倒的にパフォーマンスがいいことが分かります。
これは、株式がインフレに強く、債券がインフレに弱いという特徴によるものです。
今後も長期的なインフレが続いていくと予想されるため、株式に投資することでリターンを最大化することが出来るのです。
②日本株よりも米国株の方がリターンがいい
こちらは日経平均株価の長期チャートになります。
日本株は1989年12月に38,915円をつけて以降、30年以上も最高値を更新していません。
これは主に日本の人口減少が続いていることが要因とされています。
一方、こちらは米国のS&P500の長期チャートになります。
米国株は何度も暴落局面を経験しながらも右肩上がりに成長しています。
この傾向は、今後も長期的に続くと予想されています。
③日本企業よりも米国企業の方がビジネスモデルがいい
米国企業は日本企業よりも、営業利益率、自己資本利益率が高く、強いビジネスモデルを持っています。
また、25年以上連続で増配している企業は日本は1社に対して、米国は100社以上と圧倒しています。
- 日本 1社(花王)
- 米国 100社以上(コカ・コーラ、P&G、J&Jなど)
これは、業績不振に対して、日本は株主連帯責任との考えが強い一方で、米国では経営者の責任と考えるためです。
米国では、利益を上げられない経営陣は即クビになります。
そのため、米国は、株主のために利益を上げ、増配を繰り返す企業が多いのです。
高配当マネーマシンの作り方
本書では具体的な高配当マネーマシンの作り方が書かれています。
高配当マネーマシンとは、お金がお金を生み、資産が永続的に増え続けることが期待できるポートフォリオのことです。
マネーマシンを作る手順がこちらです。
- 銘柄数の決定
- 景気循環別、銘柄数の決定
- 個別銘柄の決定
それぞれ順番に見ていきましょう。
①銘柄数の決定
まず、保有したい銘柄数を決定します。
1銘柄に集中投資してしまうと、その銘柄が暴落した際にパニックに陥る可能性があります。
また、逆に分散しすぎてもポートフォリオの管理が大変になります。
そのため、8銘柄〜16銘柄に分散投資することがオススメです。
銘柄数は、運用しながら変更していっても大丈夫です。
8銘柄〜16銘柄が適切
②景気循環別、銘柄数の決定
次に、景気循環別、銘柄数を決定します。
株式にはそれぞれの景気局面に強いセクターがあります。
そのセクター銘柄数を決定します。
- 「回復」 ハイテク株、金融株
- 「好況」 資本財、一般消費財・サービス株、素材株
- 「後退」 エネルギー株
- 「不況」 生活必需品株、ヘルスケア株、通信株、公共株
特定のセクターに偏ってしまうと、分散投資が出来ているとは言えません。
ボラティリティ(変動率)を抑えるためにもセクター分散が必要になります。
これらを踏まえて、「回復2、好況4、後退1、不況3」のように自分好みの配分を決定します。
「回復」「好況」「後退」「不況」から自分好みに配分する
③個別銘柄の決定
最後に個別銘柄の決定です。
本書では「営業キャッシュフロー(本業を行った結果、どれくらい現金が手元に残ったかどうかの指標)」「連続増配年数」「競争優位性の高い事業であるか」などを基準にして、30種類の個別銘柄が紹介されています。
バフェット太郎厳選!賢者のための黄金銘柄30選
セクター | ティッカー | 社名 |
ハイテク | AAPL | アップル |
ハイテク | MSFT | マイクロソフト |
ハイテク | INTC | インテル |
ハイテク | IBM | IBM |
金融 | WFC | ウェルズ・ファーゴ |
金融 | USB | USバンコープ |
資本財 | MMM | スリーエム |
資本財 | UNP | ユニオン・パシフィック |
資本財 | CAT | キャピタラー |
資本財 | EMR | エマソン・エレクトリック |
消費財・サービス | HD | ホームデポ |
消費財・サービス | MCD | マクドナルド |
エネルギー | XOM | エクソン・モービル |
エネルギー | CVX | シェブロン |
生活必需品 | PG | プロクター&ギャンブル |
生活必需品 | KO | コカ・コーラ |
生活必需品 | PEP | ペプシコ |
生活必需品 | PM | フィリップ・モリス・インターナショナル |
生活必需品 | MO | アルトリア・グループ |
生活必需品 | WMT | ウォルマート |
生活必需品 | CL | コルゲート・バルモリーヴ |
生活必需品 | MDLZ | モンテリーズ・インターナショナル |
生活必需品 | KHC | クラフト・ハインツ |
ヘルスケア | JNJ | ジョンソン・エンド・ジョンソン |
ヘルスケア | ABBV | アッヴィ |
ヘルスケア | AMGM | アムジェン |
ヘルスケア | ABT | アボット・ラボラトリーズ |
通信 | T | AT&T |
通信 | VZ | ベライゾン・コミュニケーション |
公益 | SO | サザン |
これらの銘柄を中心にポートフォリオを構築すると、マネーマシンを作ることが出来ます。
選んだ銘柄は10年〜15年以上の長期投資が前提となります。
さらに、機械的に買い付けし、配当金を再投資することで、資産を雪だるま式に増やしていくことが出来ます。
30種類のオススメ銘柄を中心にポートフォリオを構築する
感想
バフェット太郎さんは、日本の個人投資家に米国株投資を広めた人物の1人です。
本書では、米国株と高配当投資の魅力を知ることが出来ます。
永続的に不労所得を得ることが出来る「高配当マネーマシン」は非常に魅力的です。
ただし、高配当株投資は長期的なトータルリターンがインデックス投資を下回るとされており、銘柄管理の手間がかかるという弱点もあります。
そのため、初心者はインデックス投資を中心として、無理のない範囲で高配当株投資を検討するのが良いかもしれません。(本書ではその方法も推奨されています)
いずれにせよ、米国の高配当株投資に興味がある人には非常に参考になる1冊です。
今回紹介した記事の内容をさらに深く知りたい人は、ぜひ書籍を購入してみて下さい。