【節税】確定申告で税金を取り返す「外国税額控除」について分かりやすく解説
- 「外国税額控除」ってなに?
- 節税になるらしいけど、やり方が分からない…
「外国税額控除」とは、外国株の配当金にかかる税金に対して控除が受けられる制度のことです。
これを活用することで、外国株投資をしている多くの人が節税を行うことが出来ます。
ただし、外国税額控除の使用には注意点もあります。
そこで、今回は「外国税額控除の仕組みとやり方」について解説していきます。
- 外国税額控除の仕組み
- 外国税額控除のやり方
この記事を最後まで読めば、外国税額控除について理解することが出来ます。
外国税額控除の仕組み
「外国税額控除」とは、外国株の配当金にかかる税金に対して控除が受けられる制度のことです。
そもそも外国株からの配当金には「現地課税」と「国内課税」の2つが掛かっています。
「現地課税」とは、その企業がある国に収める税金のことで、「国内課税」とは日本で配当金を受け取る時にかかる税金のことです。
例えば、米国株の配当金を受け取る場合、「現地課税10%」と「国内課税約20%」が掛かるため「二重課税」となります。
そこで、この二重課税部分を還元するために「外国税額控除」が作られました。
具体的なケースを見ていきます。
例えば、米国株で100万円の配当金を受け取る場合、まず「現地課税」で10%の税金が掛かり、課税後の手取りは90万円となります。
100万円(配当金)× 10%(現地課税)= 10万円(課税金額)
100万円(配当金)- 10万円(課税金額)= 90万円(現地課税後の手取り)
そして、手取りの90万円は日本で配当金を受け取る時に「国内課税」で20.315%の税金が掛かかるため、最終的な手取りは71.7万円になります。
90万円(現地課税後の手取り)× 20.315%(国内課税)= 18.3万円(課税金額)
90万円(現地課税後の手取り)- 18.3万円(課税金額)= 71.7万円(国内課税後の手取り)
このように、米国株の配当金の税率は「現地課税」「国内課税」合わせて28.3%となり、国内株の配当金の税率20.315%よりも不利になります。
しかし、外国税額控除を使用すれば、「現地課税」の部分を取り返すことが出来るのです。
ちなみに、国内課税がない「NISA口座」では、外国税額控除は使用出来ません。
外国税額控除のやり方
「申告分離課税制度」か「総合課税制度」での確定申告が必要
配当金には、3種類の納税方法があります。
- 申告不要制度(源泉徴収だけで完結させる)
- 申告分離課税制度(他の所得とは合算せずに納税する)
- 総合課税制度(他の所得とは合算して納税する)
株式を「特定口座(源泉徴収あり)」で取引している場合、証券会社によって分離課税で源泉徴収されるため、確定申告は不要となります。(申告不要制度)
ただし、外国税額控除を受けるには「申告分離課税制度」か「総合課税制度」での確定申告が必要になります。
「申告分離課税制度」とは、他の所得とは合算せずに納税する制度です。
税率は一律で20.315%(所得税15%、住民税5%、復興特別所得税0.315%)が掛かります。
「総合課税制度」とは、他の所得と合算して納税する制度です。
税率は、所得税が累進課税(所得によって変わる)、住民税10% 、復興特別所得税0.315%が掛かります。
どちらが有利になるかは個人の所得金額によって変わります。
外国税額控除の計算式
外国税額控除の計算式がこちらです。
控除限度額 = 年間の所得税額 × 年間の国外所得総額 ÷ 年間の所得総額
具体的なケースを見ていきましょう。
年収400万円で、所得税が20万円のAさんの場合を考えます。
外国株の配当金10万円があるAさんの計算式は、以下の通りです。
20万円(年間の所得税額)× 10万円(年間の外国所得総額)÷ 400万円(年間の所得総額)= 5000円(控除限度額)
Aさんは、確定申告することで5000円の外国税額控除が受けられることになります。
控除限度額は所得税額や国外所得の多さによって変わります。
二重課税の全てを取り戻せる訳ではないので注意しましょう。
まとめ
外国税額控除とは
→外国株の配当金にかかる税金に対して控除が受けられる制度のこと
外国税額控除のやり方
→「申告分離課税制度」か「総合課税制度」での確定申告が必要
→控除限度額 = 年間の所得税額 × 年間の国外所得総額 ÷ 年間の所得総額
節約術についてもっと知りたい人は、以下の記事を参考にして下さい。