書評
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【書評】「一番売れてる月刊マネー誌ZAiと作った桐谷さんの株入門」桐谷広人

うゆき
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今回は、優待株投資家である桐谷さんの著書「一番売れてる月刊マネー誌ZAiと作った桐谷さんの株入門」を紹介します。

本書は

  • 日本株の投資初心者
  • 優待株投資に興味がある人

にオススメです。

この記事の著者

名前 / Name  
うゆき 

実績 / Achievements
早稲田卒、大企業勤務の会社員。節約・副業・投資を実践し、20代で資産1,000万円を突破。資産形成のノウハウをブログやSNSで発信しています。

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著者プロフィール

  • 名前 桐谷広人
  • 職業 元プロ棋士・現投資家

1984年に将棋好きの証券マンと出会い、投資を始める。

リーマンショック以降、株主優待と配当金だけで生計を立てることを決意。

2013年に「月曜から夜更かし」(日本テレビ)に出演し、人気者になる。

現在は資産が4億円を超え、悠々自適な優待生活を送っている。

本の概要

「一番売れてる月刊マネー誌ZAiと作った桐谷さんの株入門」は、桐谷さんが実践している優待株投資の実践方法について書かれた本です。

本書の要点がこちらです。

  • 優待株投資の魅力
  • 銘柄の選び方
  • 株の買い方
  • 株の売り方

それぞれ順番に見ていきましょう。

優待株投資の魅力

優待株投資の魅力は、いい株を選んで持っているだけで、優待と配当を毎年得られることです。

生活で必要なものは優待で賄い、家賃は配当で払えば生計を立てることが可能です。

桐谷さん曰く「家賃とお嫁さん以外は、株主優待で賄える」とのこと。

株主優待で貰えるもの
  • 食品・飲料 自社製品や新製品が送られてくる
  • 日用品 文房具やタオル、キッチングッズなど日常使いで役立つ
  • 衣類 カジュアルウェアから宝飾品まで幅広い
  • 金券 QUOカードやギフト券、お米券などが貰える

また、「長期保有優遇」を設定する会社も増えています。

「長期保有優遇」では、半年保有や1年保有など条件を満たすことで、優待がグレードアップします。

このような企業は、株価が下がりにくくなるため、安心して保有し続けることが出来ます。

長期保有の株主を優遇している会社
  • タマホーム(1419) QUOカード500円 → 3年以上で1000円
  • KDDI(9433) カタログギフト3000円 → 5年以上で5000円
  • リコーリース(8566) QUOカード3000円 → 1年以上で4000円 → 3年以上で5000円

銘柄の選び方

配当利回り+優待利回りが4%以上

桐谷さんの絶対に外せないルールが「配当利回り+優待利回りが4%以上」の銘柄であることです。

配当利回りとは、1株当たりの配当額のことで、優待利回りとは1株当たりの優待額のことです。

これらを足し合わせることで、「配当+優待利回り」(実質利回り)が分かります。

株価200円、1株配当300円、株主優待は100株で500円のQUOカードの場合

「配当利回り」 3円÷200円×100=1.5%

「優待利回り」 500円÷100株=5円 5円÷200円×100=2.5%

「配当+優待利回り」 1.5%+2.5%=4.0%

高利回りな銘柄であれば、株価が下がったとしても買いが入るため、底値が堅くなります。

また、株価が大きく下がった場合でも、配当と優待を貰いながらじっくりと回復を待つことが出来ます。

自分が欲しい優待を選ぶ

銘柄探しの基本は、「自分が欲しい優待」を選ぶことです。

自分が使えない優待を貰っても「配当+優待利回り」が下がるため、意味がありません。

優待の内容は「Yahoo!ファイナンス」「証券会社のサイト」で調べることが出来ます。

「配当+優待利回り」で絞って、気になる銘柄があればピックアップしておきます。

業績をチェックする

安心して長く保有するためには「企業の業績チェック」が大切です。

桐谷さんが特に重要視している指標は「売上」と「利益」です。

理想的なのは、売上も利益を増えている「増収増益」の企業となります。

売上や利益が減り続ければ、配当の減額や優待廃止の可能性が出てくるため注意が必要です。

株の選び方

  • 配当利回り+優待利回りが4%以上
  • 自分が欲しい優待を選ぶ
  • 業績をチェックする

株の買い方

株の注文は「指値注文」と「成行注文」があります。

指値注文とは

自分で売買したい株価を決めて注文を出す方法

成行注文とは

値段を指定せずに注文する方法

桐谷さんは気になる銘柄を見つけたら「指値注文」を入れます。

その際に、2つのルールを設定しています。

1つ目が、利回りから逆算する方法です。

桐谷さんが優待株を買う時の掟は「配当+優待」利回りが4%以上あることでした。

ただ、欲しい優待株が常に利回り4%以上とは限りません。

利回り4%を超える株価がいくらなのかを逆算して、その株価で指値をしておくのです。

利回り4%の逆算の計算式

狙いたい株価=(1株当たりの配当額+優待額)÷0.04

→狙いたい株価に指値注文を入れておく

もう1つのルールは、過去の安値を参考に価格を決める方法です。

「株価は過去の値動きと似た動きをたどりやすい」という習性を利用した考え方です。

利回り4%以上の条件を満たしていたとしても、すぐには買いません。

直近安値まで待ってから買うのが、桐谷流です。

また、じっくり待てる時は年初来安値(1年の初めから見て、最も安い株価のこと)を参考に指値を入れることもあるそうです。

株の買い方

  • 利回りから逆算する方法
  • 過去の安値を参考に価格を決める方法

株の売り方

桐谷さんは「含み損が出ている株」と「希少性のある優待を実施している株」は基本的に売りません。

長期に渡って利益を享受していくのが桐谷流です。

そんな桐谷さんが「売り」を検討する場面が2つあります。

1つ目は、割安度が薄れた時です。

株価が大きく上昇し、これ以上株価が上がらなくなっている状態ならば「売り」を検討します。

買値よりも株価が上昇しているので、基本的には「利益確定売り」となります。

割安度が薄れた時の見分け方
  • 現在の株価で、配当+優待利回りが2%以下になっている場面
  • 理論株価(雑誌などの載っている本来あるべき株価を独自に試算したもの)よりも現在の株価が上回っている場面
  • いい材料やニュースが出て株価が急騰する場面

2つ目は、優待の改悪や廃止を発表した時です。

株主優待は、業績の悪化などで優待の改悪や廃止が行われることがあります。

これらは、利回りの低下や株価の下落を招くため発表されたら速やかに「売り」を検討します。

ただし、桐谷さんは、優待が廃止されても配当利回りだけで3%以上ある場合は保有継続を検討する場合があるそうです。

株の売り方

  • 割安度が薄れた時
  • 優待の改悪や廃止を発表した時

感想

本書では、有名投資家の桐谷さんが、株主優待の魅力を余すことなく解説しています。

桐谷さんがどのような考えで投資先を判断しているかなどが分かり、非常に読み応えがありました。

優待株投資は、優待品が届く楽しみがあったり、生活が豊かになる実感が湧くため、魅力的な投資手法です。

ただし、優待株投資は個別株の分析に多くの時間と労力を割くため、好みが分かれる投資法ともいえます。

優待株投資に興味がある人は、本書を読んでから投資を行うことをオススメします。

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ABOUT ME
うゆき
うゆき
30代の個人投資家
早稲田卒、大企業勤務。 投資歴4年、FP3級。 約1,400万円の金融資産を保有。 サラリーマンでも資産形成出来る方法を発信しています。
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