貸株とは?初心者でもわかる仕組みとメリット・デメリットについて解説


- 貸株ってなに?
- 株式をお得に運用できるって聞いたけど、本当?
株式を保有しているだけで、追加の収益を得られる仕組みがあることをご存じでしょうか。
それが「貸株(かしかぶ)」です。
貸株とは、投資家が保有している株式を証券会社に貸し出すことで、一定の金利収入を得られる制度のことです。
貸株は、近年、長期保有を前提とした個人投資家に、保有株式の有効活用手段として注目されています。
本記事では、貸株の仕組み、メリット・デメリット、始め方について分かりやすく解説していきます。
株式を長期保有している投資家は、ぜひ参考にして下さい!
貸株とは、投資家が保有している株式を証券会社に貸し出すことで、一定の金利収入を得られる制度のこと
貸株のメリット
- 貸株料が受け取れる
- 値上がり益を得ることができる
- 配当金・株主優待も受け取れる
貸株のデメリット
- 貸株料が変動・低下する可能性がある
- 貸株料は雑所得扱いになる
- 議決権を失う可能性がある
貸株の始め方
- 証券口座を開設する
- 貸株サービスの申し込み
- 貸株に出す株を選ぶ
- 貸株契約を結ぶ
- 貸株料を受け取る
貸株の仕組み

貸株とは、投資家が保有している株式を証券会社に貸し出すことで、一定の金利収入を得られる制度のことです。
具体的には、株式を持っている投資家が、証券会社を通して、保有している株式を機関投資家に貸し出します。
投資家は株式を貸し出すことで、貸株料を受け取ることが出来ます。
機関投資家は、その株式を空売り(株式を借りて売り、決済期日までに買い戻すことで、差額の利益を狙う取引)などに利用することができます。

貸株のメリット

貸株のメリットがこちらです。
- 貸株料が受け取れる
- 値上がり益を得ることができる
- 配当金・株主優待も受け取れる
それぞれ順番に見ていきましょう。
貸株料が受け取れる
貸株の最大の魅力は、保有している株式から貸株料を得られることです。
貸株料は年率0.1%〜5.0%程度で、銘柄によっては、高い利回りが期待出来ます。
年率1.0%の貸株料が設定されている株を100万円分保有している場合
→ 年間で約1万円(税引前)の貸株料がもらえる
また、貸株は、一度設定しておくと、自動で貸し出しと返却が行われます。
そのため、難しい操作や知識は必要なく、初心者でも気軽に始められます。
値上がり益を得ることができる
貸株をしていても、株価が上がった場合には、通常通りに売却して値上がり益を得ることができます。
貸し出していても、株式の価値自体は変わらないので、タイミングを見て自由に売買できることも安心です。

証券会社によっては、自由に売買できないこともあります。
配当金・株主優待も受け取れる
証券会社によっては、「配当金相当額を受け取る」設定が用意されています。
通常、貸株をすると名義が一時的に証券会社に移るため、配当や優待を受けられなくなる場合があります。
しかし、証券会社によっては、「配当金と同等額を支払う」仕組みを用意しているため、実質的に配当を受け取ることが可能です。
また、「株主優待がほしい」という人向けには、権利確定日の前に貸株を自動的に解除する設定もあります。
うまく活用すれば、貸株の利益と株主優待の両方を手にできます。
SBI証券の貸株サービスの例

貸株のデメリット

貸株のデメリットがこちらです。
- 貸株料が変動・低下する可能性がある
- 貸株料は雑所得扱いになる
- 議決権を失う可能性がある
それぞれ順番に見ていきましょう。
貸株料が変動・低下する可能性がある
貸株料は、銘柄ごとに変動します。
人気のある株は高利回りになることもありますが、突然年率が0.1%などの水準に下がることもあります。
また、貸株料は証券会社の都合で変えられるため、自分でコントロールできません。

「高い利回りを期待していたのに…」とならないよう、定期的な確認が必要です。
貸株料は雑所得扱いになる
貸株料として受け取る報酬は、「雑所得」扱いになるのが一般的です。
これは、配当所得とは異なる分類で、確定申告が必要になる場合もあります。
また、「配当金相当額」は配当ではないため、配当控除の対象外になる点も要注意です。
・配当金 → 配当所得
・貸株料 → 雑所得
議決権を失う可能性がある
貸株中の株式は、一時的に証券会社の名義に変わります。
そのため、株主総会での議決権が行使できなくなるというデメリットがあります。
- 「企業の経営に関わる重要な決議に参加したい」
- 「株主としての権利を大切にしたい」
こうした意識がある方にとっては、大きなマイナス要素です。
特に、株主提案や経営方針への投票に関心のある中長期投資家は要注意です。
貸株の始め方

貸株の始め方がこちらです。
- 証券口座を開設する : 貸株サービスを利用するには、まず証券会社に口座を開設する必要があります。貸株サービスを提供している証券会社を選んで口座を作成します。
- 貸株サービスの申し込み : 証券会社が提供する貸株サービスに申し込みます。申し込みはオンラインで簡単に出来ます。
- 貸株に出す株を選ぶ : 口座内にある株式のうち、貸し出すことができるものを選びます。一般的に、貸株できるのは、証券口座に保有している株式です。
- 貸株契約を結ぶ : 株を貸し出すために、貸株契約を証券会社と結びます。この契約で貸株料や期間などの条件が設定されます。
- 貸株料を受け取る : 株が貸し出されると、貸株料として一定の金額を受け取ることができます。貸株料は株式を貸している期間に基づき、証券会社から定期的に支払われます。
貸株が可能な銘柄や貸株料、期間などの条件は、証券会社によって異なります。
貸株契約をしっかりと確認してから、貸株を行いましょう。
SBI証券の貸株サービス 申し込み画面

貸株にオススメの証券会社

貸株は、多くの証券会社で行うことが出来ます。
この中でも、オススメの証券会社をいくつか紹介します。
SBI証券

- 口座開設数ネット証券No.1
- 売買手数料の安さが業界トップクラス
- Vポイントが貯まる・使える

楽天証券

- 新規口座開設数No.1
- 売買手数料の安さが業界トップクラス
- 楽天ポイントが貯まる・使える

マネックス証券

- 米国株に強い
- NISA口座での取引手数料無料
- dポイントが貯まる・使える

まとめ

貸株とは、投資家が保有している株式を証券会社に貸し出すことで、一定の金利収入を得られる制度のこと
貸株のメリット
- 貸株料が受け取れる
- 値上がり益を得ることができる
- 配当金・株主優待も受け取れる
貸株のデメリット
- 貸株料が変動・低下する可能性がある
- 貸株料は雑所得扱いになる
- 議決権を失う可能性がある
貸株の始め方
- 証券口座を開設する
- 貸株サービスの申し込み
- 貸株に出す株を選ぶ
- 貸株契約を結ぶ
- 貸株料を受け取る
貸株は、長期保有してるだけの株に「ちょっとした収入」を生み出してくれる便利な仕組みです。
「少しでもお得に運用したい」「放置してる株がある」という人は、ぜひチェックしてみてください!